表参道
龍田風神祭四月四日・六月四日
龍田に稱辭竟へ奉る皇神の前に白さく
志貴嶋に大八嶋國知しめしし皇御孫命の 遠御膳の長御膳と 赤丹の穂に聞食す五穀物を始めて 天下の公民の作る物を 草の片葉に至るまで成さざること 一年二年に在らず 歳真尼久傷るが故に 百の物知人等の卜事に出でむ神の御心は 此の神と白せと負せ賜ひき
此を物知人等の卜事を以て卜へども 出づる神の御心も無しと白すと聞看して 皇御孫命の詔りたまはく 神等をば天社國社と忘るる事尤く 遺る事尤く稱辭竟へ奉ると思ほし行はすを 誰の神ぞ 天下の公民の作りと作る物を成さず傷る神等は 我が御心ぞと悟し奉れと宇氣比賜ひき
是を以て皇御孫命の大御夢に悟し奉らく 天下の公民の作りと作る物を 悪しき風・荒き水に相はせつつ 成さず傷るは 我が御名は天乃御柱乃命・國乃御柱乃命と 御名は悟し奉りて 吾が前に奉らむ幣帛は 御服は明妙・照妙・和妙・荒妙・五色物 楯・戈 御馬に御鞍具へて 品品の幣帛備へて 吾が宮は朝日の日向ふ處 夕日の日隠る處の龍田の立野の小野に 吾が宮は定め奉りて 吾が前を稱辭竟へ奉らば 天下の公民の作りと作る物は 五穀を始めて 草の片葉に至るまで 成し幸へ奉らむと悟し奉りき
是を以て皇神の辭教へ悟し奉りし處に 宮柱定め奉りて 此の皇神の前に稱辭竟へ奉るに 皇御孫命の宇豆の幣帛を捧げ持たしめて 王臣等を使と為て 稱辭竟へ奉らくと 皇神の前に白し賜ふ事を 神主・祝部等諸聞き食へよと宣ふ
奉る宇豆の幣帛は 比古神に御服は明妙・照妙・和妙・荒妙・五色物 楯・戈 御馬に御鞍具へて 品品の幣帛献り 比売神に御服備へ 金の麻笥・金のタタリ・金のカセ 明妙・照妙・和妙・荒妙・五色物 御馬に御鞍具へて 雑の幣帛奉りて 御酒は甕の閉高知り 甕の腹満て雙べて 和稲・荒稲に 山に住む物は 毛の和物・毛の荒物 大野原に生ふる物は 甘菜・辛菜 青海原に住む物は 鰭の廣物・鰭の狭物 奥都藻菜・邊都藻菜に至るまでに 横山の如く打積み置きて 奉る此の宇豆の幣帛を 安幣帛の足幣帛と 皇神の御心に平けく聞食して 天下の公民の作りと作る物を 悪しき風・荒き水に相はせ賜はず 皇神の成し幸へ賜はば 初穂は 甕の閉高知り 甕の腹満て雙べて 汁にも穎にも 八百稲・千稲に引居ゑ置きて 秋祭に奉らむと 王等卿等 百官人等 倭國の六県の刀禰 男女に至るまでに 今年の四月〔七月には今年の七月と云へ〕諸参集はりて 皇神の前に宇事物頚根築き抜きて 今日の朝日の豐逆登に 稱辭竟へ奉る皇御孫命の宇豆の幣帛を神主・祝部等賜はりて 惰る事尤く奉れと宣ふ命を 諸聞き食へよと宣ふ
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